電験一種 R6年 法規 問5
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく,低圧保安工事,高圧保安工事及び連鎖倒壊防止に関する記述である。文中の(0)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
a) 低圧保安工事では,木柱の風圧荷重に対する安全率は(1)以上であること。また,木柱の太さは(2)で直径12 cm 以上であること。
b) 高圧保安工事では,電線はケーブルである場合を除き,引張強さ8.01kN以上のもの又は直径5mm以上の(3)であること。径間は,下表によること。ただし,電線に引張強さ14.51kN以上のもの又は断面積38mm2以上の硬銅より線を使用する場合であって,支持物にB種鉄筋コンクリート柱,B種鉄柱又は鉄塔を使用するときは,この限りでない。
テーブル
c) 低圧又は高圧架空電線路の支持物で(5)が連続している箇所において,連鎖的に倒壊するおそれがある場合は,必要に応じ,(6)以下ごとに,支線を電線路に(7)方向にその両側に設け,また,5 基以下ごとに支線を電線路と(8)方向にその両側に設けること。ただし,技術上困難であるときは,この限りでない。
(イ) | 30 °の | (ロ) | 1.5 | (ハ)(4) | 150m |
(ニ) | 45 °の | (ホ) | 1.2 | (ヘ)(8) | 直角の |
(ト) | 木柱 | (チ)(7) | 平行な | (リ)(3) | 硬銅線 |
(ヌ) | 10 基 | (ル) | 250 m | (ヲ) | 硬アルミ線 |
(ワ)(1) | 2.0 | (カ)(6) | 16基 | (ヨ) | 長径間 |
(タ) | 元口 | (レ)(5) | 直線路 | (ソ)(2) | 末口 |
出典:令和6年度第一種電気主任技術者法規科目B問題問5
解説
実務で携わっていないとなかなか数字は出てこない気がします。
A種は強度計算を行わないためB種よりも条件が厳しくなるくらいは覚えておくと何か問題を拾えるかもしれません。
電気設備の技術基準の解釈 第1節 電線路の通則 第49条 電線路に係る用語の定義
二 A種鉄筋コンクリート柱 基礎の強度計算を行わず、根入れ深さを第59条第2項に規定する値以上とすること等により施設する鉄筋コンクリート柱
三 B種鉄筋コンクリート柱 A種鉄筋コンクリート柱以外の鉄筋コンクリート柱
五 A種鉄柱 基礎の強度計算を行わず、根入れ深さを第59条第3項に規定する値以上とすること等により施設する鉄柱
六 B種鉄柱 A種鉄柱以外の鉄柱
電気設備の技術基準の解釈 第3節 低圧及び高圧の架空電線路 第70条 低圧保安工事、高圧保安工事及び連鎖倒壊防止 抜粋
低圧架空電線路の電線の断線、支持物の倒壊等による危険を防止するため必要な場合に行う、低圧保安工事は、次の各号によること。
一 電線は、次のいずれかによること。
イ ケーブルを使用し、第67条の規定により施設すること。
ロ 引張強さ8.01kN以上のもの又は直径5mm以上の硬銅線(使用電圧が300V以下の場合は、引張強さ5.26kN以上のもの又は直径4mm以上の硬銅線)を使用し、第66条第1項の規定に準じて施設すること。
二 木柱は、次によること。
イ 風圧荷重に対する安全率は、2.0以上であること。
ロ 木柱の太さは、末口で直径12cm以上であること。
三 径間は、70-1表によること。
70-1表
支持物の種類 | 径間 | ||
---|---|---|---|
第63条第3項に規定する、高圧架空電線路における長径間工事に準じて施設する場合 | 電線に引張強さ8.71kN以上のもの又は断面積22mm²以上の硬銅より線を使用する場合 | その他の場合 | |
木柱、A種鉄筋コンクリート柱又はA種鉄柱 | 300m以下 | 150m以下 | 100m以下 |
B種鉄筋コンクリート柱又はB種鉄柱 | 500m以下 | 250m以下 | 150m以下 |
鉄塔 | 制限無し | 600m以下 | 400m以下 |
2 高圧架空電線路の電線の断線、支持物の倒壊等による危険を防止するため必要な場合に行う、高圧保安工事は、次の各号によること。 一 電線はケーブルである場合を除き、引張強さ8.01kN以上のもの又は直径5mm以上の硬銅線であること。 二 木柱の風圧荷重に対する安全率は、2.0以上であること。 三 径間は、70-2表によること。ただし、電線に引張強さ14.51kN以上のもの又は断面積38mm2以上の硬銅より線を使用する場合であって、支持物にB種鉄筋コンクリート柱、B種鉄柱又は鉄塔を使用するときは、この限りでない。
70-2表
支持物の種類 | 径間 |
---|---|
木柱、A種鉄筋コンクリート柱又はA種鉄柱 | 100m以下 |
B種鉄筋コンクリート柱又はB種鉄柱 | 150m以下 |
鉄塔 | 400m以下 |
3 低圧又は高圧架空電線路の支持物で直線路が連続している箇所において、連鎖的に倒壊するおそれがある場合は、必要に応じ、16基以下ごとに、支線を電線路に平行な方向にその両側に設け、また、5基以下ごとに支線を電線路と直角の方向にその両側に設けること。ただし、技術上困難であるときは、この限りでない。