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電験一種 R6年 法規 問3

次の文章は,「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく電路の絶縁性能に関する記述である。文中の(0)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

a) 低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は,使用電圧に対する漏えい電流が(1)の2000分の1を超えないようにしなければならない。

b) 電気使用場所における低圧電路の絶縁性能について,電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗は,開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに下表の左欄に掲げる電路の使用電圧の区分に応じ,それぞれ右欄に掲げる値以上でなければならない。

電路の使用電圧の区分 絶縁抵抗値
300V以下 対地電圧(接地式電路においては電線と大地との間の電圧,非接地式電路においては電線間の電圧をいう。)が(2)以下の場合 0.1MΩ
その他の場合 0.2MΩ
300Vを超えるもの 0.4MΩ

c) 高圧及び特別高圧の電路の絶縁性能については,事故時に想定される(3)を考慮し,絶縁破壊による危険のおそれがないものでなければならない。

d) 最大使用電圧が7 000 V 以下の交流の電路は,最大使用電圧の(4)の交流電圧を電路と大地の間(多心ケーブルにあっては,心線相互間及び心線と大地との間)に連続して(5)加えたとき,これに耐える性能を有すること。

(イ)(4) 1.5倍 (ロ) 200V (ハ) 1倍
(ニ)(2) 150V (ホ)(3) 異常電圧 (ヘ)(5) 10分間
(ト) 1.25倍 (チ) 定格電流 (リ) 100V
(ヌ) 誘導電圧 (ル) 2分間 (ヲ) 異常電流
(ワ) 1分間 (カ)(1) 最大供給電流 (ヨ) 地絡電流

出典:令和6年度第一種電気主任技術者法規科目A問題問3

解説

・漏えい電流が1mA以下は安全であるとされているようです(電気設備の技術基準 第14条 低圧電路の絶縁性能)。この問題の表の絶縁抵抗値はその基準から考えると分かりやすいかと思います。例 : 200V / 0.2MΩ = 1mA

・1φ3W 100/200V (単相3線)の場合、対地電圧が100Vなので、絶縁抵抗値は0.1MΩでいいことになります(あくまで省令上)。3φ3W 200V (三相3線)の場合、低圧側の1線が接地されているため対地電圧は200Vになり、0.2MΩになります。単相3線と三相3線で表の属するところが違うと考えると対地電圧の空欄に何がくるか思い出しやすいかもしれません。

電気設備に関する技術基準を定める省令 第二章 第一節 第二十二条(低圧電線路の絶縁性能)

低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は、使用電圧に対する漏えい電流が最大供給電流の二千分の一を超えないようにしなければならない。

電気設備に関する技術基準を定める省令 第三章 第一節 第五十八条(低圧の電路の絶縁性能)

電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、次の表の上欄に掲げる電路の使用電圧の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以上でなければならない。

電路の使用電圧の区分 絶縁抵抗値
三百ボルト以下 対地電圧(接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧をいう。以下同じ。)百五十ボルト以下の場合 〇・一メガオーム
その他の場合 〇・二メガオーム
三百ボルトを超えるもの 〇・四メガオーム

電気設備に関する技術基準を定める省令 第一章 第三節 第一款 第五条(電路の絶縁)

電路は、大地から絶縁しなければならない。ただし、構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合、又は混触による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合は、この限りでない。
2 前項の場合にあっては、その絶縁性能は、第二十二条及び第五十八条の規定を除き、事故時に想定される異常電圧を考慮し、絶縁破壊による危険のおそれがないものでなければならない。
3 変成器内の巻線と当該変成器内の他の巻線との間の絶縁性能は、事故時に想定される異常電圧を考慮し、絶縁破壊による危険のおそれがないものでなければならない。

電気設備の技術基準の解釈 第15条 高圧又は特別高圧の電路の絶縁性能

高圧又は特別高圧の電路(第13条各号に掲げる部分、次条に規定するもの及び直流電車線を除く。)は、次の各号のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。
一 15-1表に規定する試験電圧を電路と大地との間(多心ケーブルにあっては、心線相互間及び心線と大地との間)に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
二 電線にケーブルを使用する交流の電路においては、15-1表に規定する試験電圧の2倍の直流電圧を電路と大地との間(多心ケーブルにあっては、心線相互間及び心線と大地との間)に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。

15-1表(抜粋)

電路の種類 試験電圧

最大使用電圧が7,000V以下の電路

交流の電路

最大使用電圧の1.5倍の交流電圧

直流の電路

最大使用電圧の1.5倍の直流電圧

又は1倍の交流電圧

  • (1)カ 最大供給電流
  • (2)ニ 150V
  • (3)ホ 異常電圧
  • (4)イ 1.5倍
  • (5)ヘ 10分間