電験一種 R4年 法規 問6
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく,特別高圧架空電線と他の工作物との接近又は交差に関する記述である。文中の(0)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
a) 使用電圧が35000Vを超える特別高圧架空電線(以下,本問において「特別高圧架空電線」という。)が,建造物,道路(車両及び人の往来がまれであるものを除く。),横断歩道橋,鉄道,軌道,索道,架空弱電流電線路等,低圧又は高圧の架空電線路,低圧又は高圧の電車線路及び他の特別高圧架空電線路以外の工作物(以下,本問において「他の工作物」という。)と接近又は交差して施設される場合における,特別高圧架空電線と他の工作物との離隔距離は,次の表に規定する値以上であること。ただし,使用電圧が170000Vを超える場合は,別に定めるところによること。
特別高圧架空電線の使用電圧の区分 | (1)の上方以外で、 (2)である場合 |
その他の場合 |
---|---|---|
35000Vを超え60000V以下 | 1m | 2m |
60000Vを超え170000V以下 | (1+c)m | (2+c)m |
(備考) c は,特別高圧架空電線の使用電圧と60 000 V の差を10 000 V で除した値(小数点以下を切り上げる。)に0.12 を乗じたもの
b) 特別高圧架空電線が,他の工作物と第1 次接近状態に施設される場合において,特別高圧架空電線路の電線の切断,支持物の倒壊等の際に,特別高圧架空電線が他の工作物に接触することにより(3)を及ぼすおそれがあるときは,特別高圧架空電線路を(4)特別高圧保安工事により施設すること。
c) 特別高圧架空電線路が,他の工作物と第2 次接近状態に施設される場合又は他の工作物の(5)して施設される場合において,特別高圧架空電線路の電線の切断,支持物の倒壊等の際に,特別高圧架空電線が他の工作物に接触することにより(3)を及ぼすおそれがあるときは,特別高圧架空電線路を(6)特別高圧保安工事により施設すること。
d) 特別高圧架空電線が他の工作物の(7)して施設される場合は,特別高圧架空電線と他の工作物との(8)は,3m以上であること。ただし,使用電圧が100000V未満の特別高圧架空電線路の(2)の場合は,この限りでない。
(イ)(7) | 下方に接近 | (ロ)(3) | 人に危険 |
(ハ) | 第1種 | (ニ) | 支持物が耐張型 |
(ホ)(5) | 上に交差 | (ヘ) | 石油タンク等 |
(ト)(4) | 第3種 | (チ) | 市街地等 |
(リ) | 離隔距離 | (ヌ) | 上に接近 |
(ル) | 一般送配電事業の電気の供給に著しい支障 | (ヲ) | 第4種 |
(ワ)(8) | 水平離隔距離 | (カ) | 下方に交差 |
(ヨ)(1) | 上部造営材 | (タ)(6) | 第2種 |
(レ)(2) | 電線がケーブル | (ソ) | 火災の危険 |
(ツ) | 支持物が鉄塔 | (ネ) | 垂直離隔距離 |
出典:令和4年度第一種電気主任技術者法規科目B問題問6
解説
実務で携わっていないとイメージしづらいと思います。
本番でこのような問題が出た場合、ケーブルの方が規制が緩くなりそう、人命が一番大事等、ある程度雰囲気で解いて何問か拾えれば十分だと考えています。過去問自体は暗記します。
電気設備の技術基準の解釈 第3章 第4節 第102条 35,000Vを超える特別高圧架空電線と他の工作物との接近又は交差
使用電圧が35,000Vを超える特別高圧架空電線(以下この条において「特別高圧架空電線」という。)が、建造物、道路(車両及び人の往来がまれであるものを除く。)、横断歩道橋、鉄道、軌道、索道、架空弱電流電線路等、低圧又は高圧の架空電線路、低圧又は高圧の電車線路及び他の特別高圧架空電線路以外の工作物(以下この条において「他の工作物」という。)と接近又は交差して施設される場合における、特別高圧架空電線と他の工作物との離隔距離は、102-1表に規定する値以上であること。ただし、使用電圧が170,000Vを超える場合は、日本電気技術規格委員会規格 JESC E2012(2013)「170kVを超える特別高圧架空電線に関する離隔距離」の「2.技術的規定」によること。
102-1表
特別高圧架空電線の使用電圧の区分 | 上部造営材の上方以外で、電線がケーブルである場合 | その他の場合 |
---|---|---|
35,000Vを超え60,000V以下 | 1m | 2m |
60,000Vを超え170,000V以下 | (1+c) m | (2+c) m |
(備考) c は、特別高圧架空電線の使用電圧と60,000Vの差を10,000Vで除した値(小数点以下を切り上げる。)に0.12を乗じたもの
2 特別高圧架空電線が、他の工作物と第1次接近状態に施設される場合において、特別高圧架空電線路の電線の切断、支持物の倒壊等の際に、特別高圧架空電線が他の工作物に接触することにより人に危険を及ぼすおそれがあるときは、特別高圧架空電線路を第3種特別高圧保安工事により施設すること。
3 特別高圧架空電線路が、他の工作物と第2次接近状態に施設される場合又は他の工作物の上に交差して施設される場合において、特別高圧架空電線路の電線の切断、支持物の倒壊等の際に、特別高圧架空電線が他の工作物に接触することにより人に危険を及ぼすおそれがあるときは、特別高圧架空電線路を第2種特別高圧保安工事により施設すること。
4 特別高圧架空電線が他の工作物の下方に接近して施設される場合は、特別高圧架空電線と他の工作物との水平離隔距離は、3m以上であること。ただし、使用電圧が100,000V未満の特別高圧架空電線路の電線にケーブルを使用する場合は、この限りでない。