電験一種 R3年 法規 問4
次の文章は,電力系統の連系に関する記述である。文中の(0)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
a) 系統連系の主な特徴は,次のとおりである。
・連系した系統全体で経済的な電源運用ができる。
・設備事故や急激な需要の変化に対し,相互に電力を融通することができるので,(1)の節減を図ることができる。
・(2)が増加するため,大容量遮断機を採用する必要がある。
・誘導障害が増加するため,対策が必要になる。
・系統の連系に伴い,系統の安定を維持するため,(3)の調整が複雑になる。
b) 系統の連系方法は,直流による連系と交流による連系があるが,直流による連系の主な特徴は,次のとおりである。
・連系送電線としてケーブルを使用する場合でも,ケーブルによる(4)がないため,長距離の送電が可能である。
・周波数の異なる交流系統間の連系が容易である。
・交流系統の(2)が増加しない。
・大規模な変換装置が必要になる。
c) 全国規模の系統連系の管理は,現在は(5)が行っている。
(イ) | ベース供給力 | (ロ) | 電力損失 | (ハ) | 高調波 |
(ニ) | 小売電気事業者同士 | (ホ) | アグリゲーター | (ヘ) | 電力系統利用協議会 |
(ト) | 発熱 | (チ) | 雷害 | (リ)(4) | 充電電流 |
(ヌ)(2) | 短絡容量 | (ル)(3) | 周波数 | (ヲ) | 漏えい電流 |
(ワ)(5) | 電力広域的運営推進機関 | (カ)(1) | 供給予備力 | (ヨ) | インバランス料金 |
出典:令和3年度第一種電気主任技術者法規科目A問題問4
解説
二次試験電力・管理でもサービスに近い問題として出てくる内容です。二次試験を見据えるのであれば、選択肢なしでこれを書きたいところです。
1.電力を融通できると供給予備力を節減できます。
2.系統を連系すると短絡地点から見たインピーダンスが減少するので短絡容量は大きくなります。そのため大容量遮断機が必要になります。
3.系統連系により系統が複雑になると周波数の調整が複雑になります。
4.「ケーブルによる」とあるので充電電流が答えになります。直流の場合、定常状態では静電容量による電流は流れません。