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電験一種 R2年 法規 問4

次の文章は,変電所の保守の動向に関する記述である。文中の(0)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

 変電所の保守の目的は,変電所の電気工作物が常に法令で定める技術基準に適合するように,その性能を維持し,事故の未然防止を図ることである。そのため,変電所の設置者は,機器の構造や性能を熟知し,巡視・点検などの実施により,機器の性能維持及び回復を図り,不良箇所の早期発見に努めている。

 機器の保守は,かつては主に,事故が発生した場合に対応するという(1)保全の考え方がとられてきたが,現在は,(2)ごとに巡視・点検,部品交換,補修などを実施し,突発事故を防ぐ保守・点検(Time Based Maintenance : TBM)が取り入れられ,機器の信頼性維持に寄与してきている。

 さらに最近の動向として,

a) 設備量の増加に対し,限られた保守要員で設備保全をするため,保守業務の(3)や省力化が図られ,また,高信頼度で長寿命の機器が採用される傾向にある。

b) 品質管理の向上,技術革新などに伴う設備の高信頼度化及び保守技術の進歩により,事故や故障が減少し,また寿命が長くなっているため,機器の信頼度に即した点検周期の採用,(4)の評価方法の開発が進められている。

c) 機器の密閉化やブラックボックス化に対応し,センサー技術の進展なども取り入れ,故障個所を早期に発見して除去し,さらに設備の劣化度を(5)するための技術向上への取り組みが進められている。

 これらにより,機器の状態や将来起こりうる事態を予測し,必要に応じてメンテナンスを実施する保守・点検(Condition Based Maintenance : CBM)が取り入れられるようになってきている。

(イ) 運転効率 (ロ) 予定 (ハ)(5) 診断
(ニ) 設置環境 (ホ)(1) 事後 (ヘ) 予防
(ト)(4) 余寿命 (チ) 自由化 (リ) 簡略化
(ヌ) 保守費用 (ル)(3) 効率化 (ヲ) 負荷設備
(ワ)(2) 一定期間 (カ) 解消 (ヨ) 維持

出典:令和2年度第一種電気主任技術者法規科目A問題問4

解説

ある程度文脈で解けますが、だからこそあまり落としたくはない問題です。

1.トラブルが起こった後に対応する保全は事後保全といいます。

2.保全のタイミングの話をしているので、文脈的に一定期間でないと文章が繋がりません。

3.自由化は何を指すのか不明、簡略化は保守の度合いを下げるニュアンスが含まれ安全ではなくなる方向に傾くので効率化が一番妥当かと思います。

4.機器寿命の話をしているので余寿命が最も自然な文章になると思います。

5.現実的なのは診断かと思います。劣化度の解消はブラックボックス化したものに対しては厳しいでしょう。

  • (1)ホ 事後
  • (2)ワ 一定期間
  • (3)ル 効率化
  • (4)ト 余寿命
  • (5)ハ 診断