電験一種 R8年 電力 問4
次の文章は,高圧配電線の地絡保護に関する記述である。文中のに当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
我が国の高圧配電系統は主として非接地方式であるが, (1) 発生防止のため, (2) の制限抵抗を介して接地しており,地絡故障と判定する地絡電流の最小値は (3) 程度である。
地絡保護には,零相電圧と零相電流の位相関係から事故点を判別する (4) を使用する。地中ケーブルの場合,絶縁体中のピンホールで絶縁破壊すると,導体とシース間に地絡電流が流れる。ただし,非接地方式においては地絡電流が小さく,事故電流が零点に到達すると消弧して一旦絶縁が回復し,対地電圧が高くなったときに再点弧するサイクルを繰り返す (5) が発生することがある。この場合,健全相における過渡的な電圧の上昇や,事故電流の断続的な発生により,保護リレーの誤動作や誤不動作の原因となることがある。
解答群
| (イ)(2) |
EVT(GPT) |
(ロ) |
高低圧混触 |
(ハ)(4) |
DGR |
| (ニ) |
数 \(\text{mA}\) |
(ホ) |
微地絡 |
(ヘ) |
OCGR |
| (ト) |
VT |
(チ)(1) |
異常電圧 |
(リ) |
感電 |
| (ヌ)(3) |
数百 \(\text{mA}\) |
(ル) |
ZCT |
(ヲ) |
高抵抗地絡 |
| (ワ)(5) |
間欠アーク地絡 |
(カ) |
OVGR |
(ヨ) |
数十 \(\text{mA}\) |
出典:令和8年度 第一種電気主任技術者 一次試験 電力科目 問4
解説
非接地の際に起こる現象
正解 (チ)
非接地系統は、1線地絡時の地絡電流が小さい反面、間欠アーク地絡などで異常電圧が発生するおそれがあります。(間欠アーク地絡は5の答え)
答えは(チ)の異常電圧です。
制限抵抗を挿入する機器
正解 (イ)
そのため、完全に非接地ではなくEVT(接地形計器用変圧器)、GPT(Grounding Potential Transformer)の抵抗を介して接地されています。なお、これらは同じものです。
答えは(イ)のEVT(GPT)です。
地絡故障と判定する最小の地絡電流値
正解 (ヌ)
答えは(ヌ)の数百 \(\text{mA}\)です。
参考:電圧・電流波形のいろいろ(5) (地絡事故) | 音声付き電気技術解説講座 | 公益社団法人 日本電気技術者協会
1線地絡時、抵抗だけを考えた時はおおよそ380mAの地絡電流が流れます。対地充電電流などで誤動作する可能性を避けるため、判定する値はあまり小さくできません。よってここは数百 \(\text{mA}\)が最も妥当です。
位相関係から事故点を判別する保護リレー
正解 (ハ)
事故点を判別するとあるのでDGR(方向地絡継電器)です。DGRは零相電圧と零相電流の位相関係から、事故点が自分の保護区間内にあるのか外にあるのかを判別します。
答えは(ハ)のDGRです。
消弧と再点弧を繰り返す地絡現象
正解 (ワ)
中性点非接地方式の電力系統で1線地絡が起きると、地絡電流が小さいため電流零点でアークが消弧する。このとき健全相の対地静電容量には電荷が残り、地絡相側の電圧が回復して絶縁耐力を超えると再点弧する。この消弧と再点弧が断続的に繰り返される現象を間欠アーク地絡といいます。
答えは(ワ)の間欠アーク地絡です。
(1)
チ
異常電圧
(2)
イ
EVT(GPT)
(3)
ヌ
数百 \(\text{mA}\)
(4)
ハ
DGR
(5)
ワ
間欠アーク地絡